横隔膜とは|読み方・意味・英語をわかりやすく解説

横隔膜(おうかくまく)とは、胸(胸腔)とお腹(腹腔)の間を仕切っている、ドーム状の薄い筋肉のことです。簡単にいえば「肺の床」であり「お腹の天井」。息を吸うたびに縮んで下がり、肺をふくらませる、呼吸の主役となる筋肉です。

「横隔膜とは何?」をわかりやすく一言でまとめるなら、「胸とお腹の境目にある、呼吸のための膜のような筋肉」です。名前に「膜」と付いていますが、薄い皮のような膜ではなく、筋肉と腱でできた立派な筋肉です。

横隔膜は胸とお腹を仕切るドーム状の筋肉 胸腔(肺・心臓) 横隔膜 腹腔(胃・肝臓・腸) ドームの頂点は胸の中へ盛り上がっている
横隔膜は胸腔と腹腔の境にあり、上に向かって盛り上がったドーム(円蓋)の形をしている

読み方と漢字の意味

横隔膜の読み方は「おうかくまく」です。「よこかくまく」と読み間違えられることもあります。漢字は「横(よこ)に隔(へだ)てる膜」という意味で、体を横向きに上下へ隔てていることを表しています。昔は「膈膜(かくまく)」とも書き、医学用語では単に「膈(かく)」と略されることがあります。

英語・ラテン語と語源

横隔膜は英語で diaphragm(ダイアフラム)です。発音は「ダイアフラム」に近く、最後の g は発音しません。ラテン語では diaphragma といい、語源はギリシャ語の「dia(横切って・間を)」+「phragma(仕切り・囲い)」で、まさに「間を仕切るもの」という意味です。カメラの絞りやマイクの振動板も同じ語源で「ダイアフラム」と呼ばれます(後の章で解説します)。

英語の略語としては、医療の記録で dia. や diaph. と書かれることがありますが、決まった略は無く、通常は diaphragm と綴ります。「横隔膜呼吸」は英語で diaphragmatic breathing、「横隔膜ヘルニア」は diaphragmatic hernia です。

各国語での横隔膜

言語横隔膜の表記読み・補足
英語diaphragmダイアフラム
ラテン語diaphragma解剖学の正式名
ドイツ語Zwerchfellツヴェルヒフェル(「横の皮」の意味)
中国語膈肌 / 横膈膜グーチー / ホンガーモー
韓国語횡격막フェンギョンマク(漢字語で「横隔膜」)
ポルトガル語diafragmaジアフラグマ
ベトナム語cơ hoành「横の筋肉」の意味

横隔膜の別名と理科での扱い

横隔膜の別名としては、前述の「膈(かく)」のほか、呼吸法の文脈で「呼吸筋の王様」と呼ばれることもあります。中学校の理科では、ゴム膜を張ったペットボトル(ベルジャー)の模型で「横隔膜が下がると肺に空気が入る」ことを学びます。この横隔膜モデルの仕組みは「働きと役割」の章で詳しく扱います。

なお、横隔膜は哺乳類だけが持つ筋肉です。鳥やは虫類には、哺乳類と同じ筋肉の横隔膜はありません。鳥は気嚢(きのう)という袋をふいごのように使って呼吸しており、仕組みがまったく違います。人間を含む哺乳類のみが、横隔膜という「ピストン」で肺をふくらませているのです。

横隔膜はどこにある?位置・場所・高さと周辺の臓器

横隔膜がどこにあるかを一言でいうと、肋骨の下の縁に沿って、胸とお腹の境目をぐるりと一周している場所です。人間の体で「どの辺か」を指で示すなら、前はみぞおち、横は肋骨のいちばん下の縁、背中側は腰の少し上(背骨の腰椎)までの範囲に、傘を開いたような形で張っています。

前・横・背中側から見た位置

  • 前(お腹側): 胸骨のいちばん下にある剣状突起(みぞおちの骨)の裏に付いています。
  • 横: 第7〜第12肋骨の内側に沿って付いています。肋骨の下の縁を指でなぞった線が、おおよその横隔膜の外周です。
  • 背中側: 前よりずっと低く、腰椎(第1〜第3腰椎)まで伸びています。横から見ると、前が高く後ろが低い、斜めに傾いたドームです。

このため、同じ横隔膜でも前後で高さが大きく違います。前後の高低差があることは、横から見た図やMRIの断面図を見るとよくわかります。

正面から見た横隔膜は右が高く左が低い 右肺 左肺 心臓 肝臓 胃・脾臓 右(肝臓側)のドームが少し高い 右ドーム 左ドーム
正面から見ると横隔膜は左右2つのドームに分かれ、下に肝臓がある右側が少し高い位置にある

横隔膜の高さ|肋骨・胸椎で見た位置

横隔膜のドームの頂上は、思っているよりずっと高い位置にあります。息を吐ききったときには、右のドームは乳首より少し下(第4〜第5肋間)の高さまで上がってきます。胸椎の高さでいうと、ドームの頂上はおよそ第8〜第9胸椎の椎体レベルです。

胸のレントゲンで正常な高さを見るときは、深く息を吸った状態で「右の横隔膜が前の肋骨で第6肋骨、背中側の肋骨で第10肋骨あたり」に来るのが目安とされます。ただし、横隔膜の高さは呼吸・姿勢(立っているか寝ているか)・体格で数センチ単位で変わるため、1つの数字で決まるものではありません。

左右差|右が高い理由

横隔膜の左右の高さには差があり、右が左より1〜2cmほど高いのが普通です。右が高い理由は、すぐ下に大きな肝臓があって下から押し上げているためです。左側は上に心臓が乗っているので、そのぶん少し低くなります。レントゲンで左右差が大きすぎる場合は、横隔膜の麻痺や腹部の病気のサインのこともあり、病気の章で扱います。

横隔膜に接する臓器と周辺の臓器

位置接する臓器
上面(胸側)左右の肺、中央に心臓(心膜を介して乗っている)
下面・右肝臓(横隔膜の下の臓器で最大)
下面・左胃、脾臓
下面・背中側腎臓、副腎(背中側の低い部分に近い)
貫いているもの食道、大動脈、下大静脈(3つの孔の章で解説)

横隔膜は周辺の臓器とぴったり接しているため、横隔膜が動けば肝臓や胃も一緒に上下します。深呼吸でお腹がふくらむのは、横隔膜の下の内臓が押し下げられるためです。

みぞおちとの違い・触ることはできる?

「みぞおち」は胸骨の下のくぼんだ場所を指す体表の呼び名で、横隔膜そのものではありません。みぞおちの上に触れる小さな骨の出っ張りは、胸骨の先端の剣状突起です。みぞおちの奥の少し上に横隔膜の前の端がある、という位置関係です。横隔膜は肋骨の内側にあるので、直接触ることはできません。肋骨の下の縁に指先を軽く当てて深く息を吸うと、内側から押し返される動きを感じられますが、これは横隔膜に押された内臓の動きを間接的に触っている状態です。

形・大きさ・厚さ|実物はどんな見た目?

横隔膜の形は、上に盛り上がったドーム(円蓋)が左右に2つ並んだ形です。大きさは胸郭の底面全体をふさぐほどで、大人ではおよそ30cm前後の幅があります。厚さは筋肉の部分でも数ミリ程度と薄く、中央は白っぽい腱(腱中心)になっています。実物の見た目は「赤い筋肉の縁取りがついた、白い膜の傘」に近く、焼肉のハラミ(牛の横隔膜)を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。

形を立体でつかみたい人は、解剖学の3Dアプリや人体模型、教科書のイラストや図解、模式図を見比べるのがおすすめです。平面の絵や画像では1本の曲線にしか見えませんが、立体では肋骨の内側を一周する「お椀を伏せた形」だとわかります。

横隔膜は何の筋肉?骨格筋・随意筋と不随意筋の両面

「横隔膜って何?筋肉なの、内臓なの?」という疑問はよく聞かれます。結論からいうと、横隔膜は骨格筋(横紋筋)の一種で、内臓ではなく筋肉です。ただし、ほかの骨格筋にはない「寝ていても勝手に動き続ける」という性質を持っています。

筋肉の種類と横隔膜の分類

人間の筋肉の種類は、顕微鏡で見た組織の見た目と働き方から、大きく3つに分けられます。

種類組織の見た目意思で動かせるか例
骨格筋横紋筋(しま模様がある)随意筋(動かせる)腕・脚の筋肉、横隔膜
心筋横紋筋不随意筋(動かせない)心臓
平滑筋しま模様がない不随意筋胃・腸・血管の壁

横隔膜は組織像にしま模様(横紋)がある横紋筋で、脳から伸びる運動神経(横隔神経)の命令で縮む骨格筋です。胃や腸のような平滑筋ではありません。呼吸に使う筋肉をまとめて「呼吸筋」と呼び、横隔膜はその中心です。

横隔膜は骨格筋だが自動でも動く特別な筋肉 筋肉 骨格筋 心筋 平滑筋 横隔膜 = 骨格筋(随意筋) ただし脳幹の呼吸中枢が自動でも動かす
横隔膜は骨格筋に分類される随意筋だが、呼吸中枢の命令で無意識にも動き続ける

随意筋なのに不随意筋のように動く理由

教科書的には、横隔膜は自分の意思で動かせる随意筋です。実際に、息を止めたり、わざと深く吸ったりできるのは、横隔膜を意識で操れるからです。一方で、寝ている間や何かに集中している間も、横隔膜は1分間に十数回、止まらずに動き続けています。これは脳幹にある呼吸中枢が、自動で横隔神経に指令を出しているためです。

つまり横隔膜は「随意筋と不随意筋の両方の性質を持つ筋肉」と説明されることがあります。正確には「随意筋(骨格筋)だが、無意識の自動制御も受ける筋肉」です。しゃっくりのように、自分の意思と関係なく痙攣が起こるのも、この自動制御の経路があるためです。

疲れにくい筋肉と、老化による変化

横隔膜は一生動き続けるため、疲労に強い筋線維(遅筋線維)の割合が多い筋肉です。腕の筋肉のように数分の運動で疲れ切ることはありません。ただし、全身の筋肉と同じように加齢(老化)とともに筋力は少しずつ落ちていきます。高齢者で「息が吸いにくい」「咳が弱くなる」といった変化が起きる一因に、横隔膜を含む呼吸筋の筋力低下があると考えられています。鍛え方は後の章で紹介します。

横隔膜の構造と解剖|起始停止・腱中心・右脚と左脚

横隔膜の構造は、周りの骨に付いた筋肉の部分(起始)と、中央の腱中心(停止)の2つに分けて考えるとわかりやすくなります。周囲の筋肉が縮むと、中央の腱中心が下に引かれてドームが平らになる、というのが横隔膜の解剖学的な動きの基本です。

起始停止と付着部|3つの部分

横隔膜の筋肉は、付着部(起始)の場所によって3つの部分に分けられます。停止部はすべて共通で、中央の腱中心です。

部分起始(付着部)停止
胸骨部剣状突起(胸骨の下端)の裏側腱中心
肋骨部第7〜第12肋骨(肋軟骨)の内面腱中心
腰椎部腰椎の椎体(右脚・左脚)と弓状靭帯腱中心

国家試験などで起始停止を覚えるときは「胸骨・肋骨・腰椎の3部から起こり、腱中心に停止する」とまとめると整理しやすいでしょう。3部のうち最も面積が広いのは肋骨部で、呼吸で大きく動くのも主にこの部分です。

横隔膜を下から見た3つの部分と腱中心 腱中心 胸骨部(前) 肋骨部 肋骨部 腰椎 右脚 左脚 背中側(下)は腰椎部が右脚・左脚で付く
横隔膜は胸骨部・肋骨部・腰椎部の3部から起こり、中央の腱中心に停止する(下から見た模式図)

腱中心とは

腱中心(けんちゅうしん)は、横隔膜の真ん中にある白くて丈夫な腱の板です。三つ葉のクローバーのような形をしていて、上には心臓が心膜を介して乗っています。腱中心そのものは縮みませんが、周りの筋肉に引っ張られて上下に動きます。読み方を「けんちゅうしん」と打ち込んで調べる人も多い用語です。

右脚・左脚と内側脚・弓状靭帯

腰椎部は、背骨に向かって2本の脚のように伸びています。これを右脚(うきゃく)・左脚(さきゃく)と呼びます。右脚は第1〜第3腰椎、左脚は第1〜第2腰椎の椎体に付いており、肝臓側の右脚のほうが太く長いのが特徴です。右脚と左脚をまとめて内側脚と呼び、その外側で筋肉が付く腱のアーチを弓状靭帯(内側弓状靭帯・外側弓状靭帯)といいます。

内側弓状靭帯は大腰筋を、外側弓状靭帯は腰方形筋をまたぐように張っています。このため横隔膜は、腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)や腰方形筋と筋膜でつながっており、横隔膜の硬さが腰の張りや腰痛と関係していると言われるのはこの構造のためです。

ZOAとは(zone of apposition)

ZOA(ゾア)とは zone of apposition の略で、日本語では「横隔膜の付着帯」や「接合領域」と呼ばれます。肋骨部の筋肉が、肋骨の内側の壁にぴったり沿って縦に下りている部分のことです。ZOAが十分にあると、横隔膜が縮んだときに下の肋骨を横へ広げる力が効率よく働きます。姿勢の崩れや肺気腫などでドームが平坦になるとZOAが小さくなり、呼吸の効率が落ちるため、リハビリや理学療法の分野で重視される考え方です。

横隔膜の発生|首から下りてきた筋肉

横隔膜は、胎児のころに首のあたりで発生し、心臓や肺の成長とともにお腹の上まで下りてくる筋肉です。いくつかの膜(横中隔・胸腹膜など)が合わさってでき上がるため、その閉じ方が不完全だと、生まれつき穴が残る先天性の横隔膜ヘルニアが起こります。首で発生した名残として、横隔膜を動かす神経は首の脊髄から出ています(神経支配の章で解説します)。

横隔膜の3つの孔(裂孔)と通るもの

横隔膜は胸とお腹を仕切る壁ですが、完全に閉じているわけではありません。胸から腹へ向かう血管や食道を通すために、大きな3つの孔(穴)が開いています。この3つの孔を通るものと、背骨の高さ(椎体レベル)の組み合わせは、解剖学や看護・医療系の試験で必ず問われるポイントです。

3つの孔と通過するもの一覧

孔の名前高さ通るもの
大静脈孔第8胸椎下大静脈、右横隔神経の枝
食道裂孔第10胸椎食道、迷走神経(前・後迷走神経幹)
大動脈裂孔第12胸椎大動脈(下行大動脈)、胸管、奇静脈

高さは上から「8・10・12」と2つずつ下がっていくので、「大静脈は8、食道は10、大動脈は12」と覚えると整理できます。英語圏では「I 8 10 Eggs At 12(IVC=8、Esophagus=10、Aorta=12)」という覚え方が有名です。

横隔膜の3つの孔は胸椎8・10・12の高さにある T8 T10 T12 大静脈孔 → 下大静脈 食道裂孔 → 食道・迷走神経 大動脈裂孔 → 大動脈・胸管 上から8・10・12と2つずつ下がる
横隔膜の3つの孔は、上から大静脈孔(T8)・食道裂孔(T10)・大動脈裂孔(T12)の順に並ぶ

大静脈孔|下大静脈が通る

大静脈孔は、腱中心の右寄りに開いている孔です。下半身から心臓へ血液を戻す下大静脈が通ります。腱の部分に開いているため、横隔膜が縮んでも孔が締まらず、むしろ息を吸うと孔が広がって血液が心臓へ戻りやすくなります。

食道裂孔|食道と迷走神経が通る

食道裂孔は、右脚の筋線維がぐるりと囲むように作っている孔です。口から胃へつながる食道と、脳から内臓へ伸びる迷走神経が通ります。筋肉で囲まれているので、横隔膜が縮むと孔が締まり、胃の中身が食道へ逆流するのを防ぐ「弁」のような役割も果たしています。この孔がゆるんで胃が胸側へ飛び出すのが、後で解説する食道裂孔ヘルニア(裂孔ヘルニア)です。

大動脈裂孔|大動脈と胸管が通る

大動脈裂孔は、左右の脚と正中弓状靭帯に囲まれた、いちばん低い位置の孔です。心臓から出た大動脈がお腹へ下りていく通り道で、リンパ液を運ぶ胸管や奇静脈も一緒に通ります。厳密には横隔膜の筋肉を貫くのではなく、横隔膜の後ろ側をくぐり抜ける形なので、呼吸で横隔膜が動いても大動脈が締めつけられることはありません。

なお、3つの孔のほかにも、小さな血管や神経が通る細かい隙間がいくつかあります。「3つの穴」とまとめて覚えるのは、大きな構造物が通る代表的な3つの孔のことです。

横隔膜の神経支配と血管|横隔神経・髄節C3〜C5

横隔膜の神経支配は、首の脊髄(頸髄)の第3〜第5髄節から出る横隔神経が担っています。横隔膜を動かす運動の命令は、ほぼすべてこの横隔神経1本で届きます。「横隔膜の支配神経は何神経?」と聞かれたら、答えは横隔神経です。

横隔神経と髄節レベル(C3・C4・C5)

横隔神経は、左右それぞれ首から出て、心臓の横を通って横隔膜まで下りてきます。髄節レベルはC3〜C5で、中心はC4です。英語圏では「C3, 4, 5 keeps the diaphragm alive(C3・4・5が横隔膜を生かす)」という覚え方があります。

なぜお腹の近くの筋肉を首の神経が支配しているのかというと、前の章で触れたとおり、横隔膜が胎児期に首のあたりで発生し、神経を引き連れたまま下りてきたからです。このため、首の高い位置(C3より上)で脊髄を損傷すると横隔膜が動かなくなり、自力で呼吸することが難しくなります。そうした場合に、横隔神経に電気刺激を与えて横隔膜を動かす「横隔神経ペーシング(横隔膜ペースメーカー)」という治療法が使われることがあります。

首のC3〜C5から出る横隔神経が横隔膜を動かす 頸髄 C3〜C5 横隔神経 横隔膜 肩(C4領域) 中央部の痛みは肩の痛みとして感じることがある(関連痛)
横隔膜は頸髄C3〜C5から出る横隔神経に支配され、中央部の刺激は同じ髄節の肩に関連痛として出ることがある

横隔膜の痛覚と関連痛|なぜ肩が痛くなる?

横隔膜の感覚(痛覚)は、場所によって伝わる神経が違います。

  • 中央部: 横隔神経が感覚も伝えます。横隔神経はC4の髄節から出ているので、脳は「C4が担当する皮膚の場所=肩の上」の痛みと勘違いすることがあります。これを関連痛といい、デルマトーム(皮膚の髄節支配の地図)で説明されます。胆のうや肝臓の病気で右肩が痛むのはこのためです。
  • 周辺部(肋骨に近い縁): 下のほうの肋間神経が伝えます。肋間神経は胸髄から出る神経なので、痛みは脇腹やみぞおち、背中の下のほうに感じられます。

迷走神経は横隔膜を支配している?

「横隔膜は迷走神経支配」と誤解されることがありますが、迷走神経は食道裂孔を通って横隔膜を貫いているだけで、横隔膜を動かしてはいません。横隔膜の運動を担うのは横隔神経です。ただし、ゆっくりとした深い呼吸は迷走神経の働き(副交感神経の活動)を高めるといわれており、呼吸を通じて横隔膜と自律神経は関係しています。この点は「呼吸以外の働き」の章で扱います。

横隔膜の栄養血管

横隔膜に血液を送る栄養血管(動脈)は、上下の両方から来ています。

動脈枝分かれ元主に栄養する部分
下横隔動脈腹大動脈横隔膜の下面(主な栄養血管)
上横隔動脈胸大動脈横隔膜の上面・背中側
心膜横隔動脈・筋横隔動脈内胸動脈前側・横隔神経に沿った部分

血管が複数の方向から入っているため、横隔膜は血流が途絶えにくい筋肉です。検査では、筋肉の電位を測る筋電図や、横隔神経への電気刺激に対する反応を見て、神経と筋肉の働きを評価することがあります。

横隔膜の働きと役割|呼吸の仕組み(吸気時・呼気時の動き)

横隔膜のいちばん大きな役割は、縮んで下がることで肺をふくらませ、空気を吸い込むことです。安静にしているときの吸気の6〜8割(約7割)は横隔膜の収縮によるものとされ、横隔膜が「呼吸筋の主役」と呼ばれるのはこのためです。呼吸時の横隔膜の動き方を、吸うときと吐くときに分けて見ていきましょう。何のためにある筋肉かを簡単にいえば、「肺を下に引っぱって、空気を入れるため」です。

吸気時|収縮すると下がって平らになる

息を吸う時(吸気時)、横隔膜は縮みます(収縮)。ドーム状の横隔膜が縮むと、頂上が下に引き下げられて平坦化し、胸の空間(胸腔)が縦に広がります。胸腔が広がると肺の中の圧力が下がり、肺が膨張して外から空気が入ってきます。「吸うと下がる」のが横隔膜の基本の動きです。

このとき横隔膜の下にある胃や肝臓などの内臓が押し下げられるので、お腹が前や横へ膨らむ感覚があります。さらに、横隔膜の肋骨部が縮むと下の肋骨が横へ広がり(バケツの取っ手のような動き)、胸の横幅も広がります。

呼気時|弛緩するとドームに戻って上がる

息を吐くとき(呼気時)、横隔膜は力を抜いてゆるみます(弛緩)。すると、ふくらんだ肺が自分の弾力で縮もうとする力と、押し下げられていた内臓が戻ろうとする力で、横隔膜は元のドームの形へ上がっていきます。つまり安静時の呼気では、横隔膜は「自分で上がる」のではなく「ゆるんで持ち上げられる」のです。

「横隔膜は吐くときに上がって息を押し出す」と説明されることがありますが、横隔膜が自ら縮んで上に動くことはありません。強く吐く・長く吐くときに働くのは、腹筋(腹直筋・腹横筋・腹斜筋)や内肋間筋といった呼気の筋肉です。この違いは、歌での使い方を理解するうえで大切なポイントになります。

吸うと横隔膜は縮んで下がり、吐くとゆるんで上がる 吸気時 肺がふくらむ 収縮して下がる 呼気時 肺が縮む 弛緩して上がる 安静時の上下の動きは1〜2cm、深呼吸では数cmになる
吸気時は横隔膜が収縮して平らに下がり、呼気時は弛緩してドームの形に戻る

横隔膜と肺の関係|動く距離の目安

肺そのものには筋肉が無いため、自分でふくらむことはできません。横隔膜と肺の関係は「ピストンとシリンダー」に近く、横隔膜が下に動いた分だけ肺が引き伸ばされて空気が入ります。MRIで横隔膜の動きを測った研究では、安静呼吸で1〜3cm程度、最大の深呼吸では6〜7cm前後、上下に動くと報告されています(背中側ほど大きく動きます)。横隔膜と肺の動きを実際に見たい人は、MRIや超音波(エコー)で撮影した動画が医療機関や大学から公開されているので、検索してみるとイメージがつかみやすいでしょう。

ペットボトルとゴム風船の模型でわかる原理

理科の授業でおなじみの模型は、横隔膜の原理をそのまま再現しています。

  1. 底を切ったペットボトルの口に、ストローを通したゴム風船(肺の役)を付ける
  2. 切った底にゴム膜(横隔膜の役)を張る
  3. ゴム膜を下に引くと、ボトルの中が広がって風船がふくらむ(吸気)
  4. ゴム膜を離すと、風船がしぼむ(呼気)

ゴム膜を引くことが横隔膜の収縮、離すことが弛緩にあたります。空気が入るのは「肺が広がるから」ではなく「横隔膜が下がって胸の中の圧力が下がるから」という順番を理解するのにぴったりです。

胸式呼吸・腹式呼吸との違いと呼吸筋

呼吸には、主に横隔膜を使う腹式呼吸と、肋骨の間の筋肉(外肋間筋)で肋骨を持ち上げる胸式呼吸があります。実際の呼吸はどちらか一方ではなく、両方が混ざって行われています。

呼吸筋働くとき動き
横隔膜吸気(主役)下がって胸腔を縦に広げる
外肋間筋吸気肋骨を持ち上げて胸を前・横に広げる
胸鎖乳突筋・斜角筋・前鋸筋強い吸気(補助)胸郭を上に引き上げる
内肋間筋・腹筋強い呼気肋骨を下げ、お腹を締めて横隔膜を押し上げる

腹式呼吸と胸式呼吸の違いややり方は、腹式呼吸とはの記事で詳しく解説しています。横隔膜の動きを意識して深く行う呼吸法が腹式呼吸だ、と考えるとつながりがわかりやすいでしょう。

姿勢で変わる横隔膜の高さ|座位・端座位

横隔膜の位置は姿勢でも変わります。仰向けに寝ると内臓が頭側へ寄って横隔膜が上がり、座位や立った姿勢では内臓が下がって横隔膜も下がりやすくなります。息苦しい人がベッドで体を起こした起座位や、ベッドの端に腰かけた端座位をとると呼吸が楽になるのは、横隔膜が下がって動きやすくなるためです。

呼吸以外の横隔膜の働き|腹圧・体幹・骨盤底筋との連動と自律神経

横隔膜の働きは呼吸だけではありません。お腹の「ふた」として腹圧を作り、体幹を支えること、咳・くしゃみ・嘔吐・排便のように体の中身を押し出す動作を助けること、食道の逆流を防ぐこと、そして呼吸のリズムを通じて自律神経に影響することなど、さまざまな役割を持っています。

腹圧を作って体幹を支える|インナーユニット

お腹の空間(腹腔)は、上を横隔膜、前と横を腹横筋、後ろを多裂筋、下を骨盤底筋に囲まれた「箱」になっています。この4つの筋肉をまとめてインナーユニット(体幹の深層筋)と呼びます。4つが同時に適度に縮むと、箱の中の圧力=腹圧が高まり、背骨を内側から支える「空気の入ったコルセット」のように働きます。

横隔膜は腹圧を作る4つの筋肉の「ふた」 横隔膜(ふた) 腹横筋 多裂筋 骨盤底筋(底) 腹圧
横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋の4つが囲む箱の中で腹圧が生まれ、体幹を内側から支える

横隔膜と骨盤底筋は特に連動が強く、息を吸って横隔膜が下がると骨盤底筋も少し下がり、息を吐くと一緒に上がります。尿もれ対策や産後の骨盤底筋トレーニングで呼吸が重視されるのは、この連動を利用するためです。重い物を持ち上げるときに自然と息を止めてお腹に力を入れるのも、横隔膜で腹圧を高めて腰を守る反応です。

咳・くしゃみ・嘔吐・排便を助ける

咳やくしゃみ、笑う・泣くといった動作では、まず横隔膜が縮んで大きく息を吸い、その後に腹筋が一気に縮んで息を吐き出します。嘔吐や排便(いきみ)では、横隔膜が下がったまま踏ん張ることで腹圧を高め、胃や腸の中身を押し出します。激しく咳き込んだり、大笑いしたりした後に横隔膜のあたりが筋肉痛のように痛むのは、こうした動作で横隔膜と腹筋を酷使したためです。

食道の逆流を防ぐ|逆流性食道炎との関係

食道裂孔を囲む横隔膜の筋肉(右脚)は、胃の入り口を外から締めつけて、胃酸が食道へ逆流するのを防いでいます。食道裂孔がゆるむと胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎の一因になります。横隔膜を使った呼吸練習が逆流性食道炎の症状軽減に役立つ可能性を示した研究もありますが、治療の基本は医師の診察と薬・生活習慣の見直しです。胸やけやゲップ、ムカムカ感が続く場合は消化器内科を受診しましょう。

血液とリンパを戻すポンプ

横隔膜が上下すると、胸とお腹の圧力が交互に変わります。この圧力の変化がポンプのように働き、下半身から心臓へ戻る静脈血や、リンパ液の流れを助けます。深い呼吸がむくみの軽減によいといわれる背景には、この横隔膜のポンプ作用があります。横隔膜のまわりにはリンパ節も多く、胸管は大動脈裂孔を通って横隔膜を貫いています。

自律神経との関係|リラックスと睡眠

横隔膜は自律神経に直接支配されているわけではありませんが、呼吸のリズムを通じて自律神経と深く関係しています。吐く息を長くしたゆっくりとした呼吸は、副交感神経(迷走神経)の働きを高め、心拍を落ち着かせることが知られています。緊張やストレスでドキドキと動悸を感じるとき、寝る前に気持ちを落ち着かせたいときに、横隔膜を大きく動かす深い呼吸で整えるのはこのためです。

リラクゼーションや睡眠の質を高める目的で、呼吸法を取り入れる人も増えています。ただし、パニック発作やパニック障害の症状がある場合、呼吸法は補助的な対処にとどまります。症状が続く場合は、心療内科や精神科で相談してください。

歌うときの横隔膜の使い方|下げる感覚と「支え」

ボイトレでは「横隔膜で歌う」「横隔膜を下げたまま発声する」とよく言われます。ただし、ここまで見てきたとおり横隔膜は息を吸う筋肉で、自分で縮んで息を押し出すことはできません。歌うときの横隔膜の使い方を正しく言いかえると、吸ったときに下がった横隔膜を、歌っている間ゆっくり戻していくことです。この「戻るスピードのブレーキ」が、歌でいう支え(サポート)の正体です。

「横隔膜を下げる」感覚とは

横隔膜には感覚の神経が少ないため、横隔膜そのものが下がる感覚はわかりません。「横隔膜を下げる感覚がわからない」と感じるのは自然なことです。実際に感じ取れるのは、次のような体の外側の変化です。

  • みぞおちから下のお腹が、前だけでなく横(脇腹)にも広がる
  • 背中の下のほう(腰の少し上)が、内側から押されてふくらむ
  • 下の肋骨が横に開き、ベルトを巻いたあたりが一周ぐるりと広がる

この3つを感じながら息を吸えれば、横隔膜は十分に下がっています。昔から声楽や邦楽で「丹田(おへその下)に息を落とす」と言われるのも、この胴体の下半分の広がりを感じさせるための表現です。下げ方のコツは「お腹に空気を入れる」ではなく「胴体の下半分が全方向に広がるように吸う」とイメージすることです。

歌っている間の支え|吸気筋と呼気筋のバランス

吸った後に力を抜くと、横隔膜は一気に上がって息が勢いよく出てしまいます。歌では、吸気の筋肉(横隔膜・外肋間筋)が少しだけ働き続けて広がりを保ち、呼気の筋肉(腹筋)がゆっくり息を送り出します。この2つが綱引きのようにバランスをとることで、声帯に届く息の量と圧力が一定になり、声がふらつかず長く伸びます。イタリアの声楽ではこれを「アッポッジョ(appoggio、支え)」と呼びます。

歌の支えは吸う筋肉と吐く筋肉の綱引き 吸気筋 横隔膜・外肋間筋 呼気筋 腹筋・内肋間筋 綱引き 息の量と圧力が一定 声がふらつかず長く伸びる
横隔膜を含む吸気筋が広がりを保ち、腹筋などの呼気筋がゆっくり息を送ることで、歌に必要な一定の息が生まれる

よくある間違い|お腹に力を入れる・横隔膜を押し上げる

  • お腹を固めて力を入れる: お腹をカチカチに固めると、横隔膜も周りの筋肉も動けなくなり、息が流れません。支えは「固める」ではなく「広がりを保ったまま、ゆっくり戻す」ことです。
  • 横隔膜を上げる・持ち上げるように押す: 高音で「お腹を引き上げる」と強く押すと、息の圧力が急に上がって喉が締まりやすくなります。必要なのは強い圧力より、安定した量です。
  • お腹を開きっぱなしにする: 逆に、吸った形を最後まで保とうと力むと、息が出なくなります。フレーズの終わりに向けて、お腹や肋骨は自然に戻ってかまいません。

横隔膜が動かないと感じるとき

「歌うと横隔膜が動かない」「うまく動かせない」と感じる人の多くは、肩や胸が上がる胸式寄りの吸い方になっているか、お腹を固めすぎています。横隔膜を動かすには、仰向けに寝てお腹に手を置き、吸うとお腹がふくらみ、吐くとしぼむ動きを確認するところから始めるのが近道です。お腹を膨らませる意識より、脇腹と背中まで広げる意識で吸うと、横隔膜の動かし方の感覚がつかみやすくなります。息継ぎのタイミングや吸い方のコツは歌のブレスの記事も参考にしてください。

横隔膜ビブラートとは

ビブラートの種類の1つに、息の圧力を「強・弱・強・弱」と波打たせて声を揺らす「横隔膜ビブラート」があります。ただし横隔膜は1秒に5回以上も細かく意識的に動かせる筋肉ではないため、実際にはお腹まわりの筋肉で息の圧力を揺らす方法の通称だと考えられています。ビブラートができない人が「揺れる感覚」をつかむ入口としては有効で、喉の力みを避けやすいのが利点です。プロの歌手の多くは、最終的に喉の力を抜いた自然な揺れ(喉ビブラート)を使っています。かけ方の違いや練習方法はビブラートとはの記事で詳しく解説しています。

横隔膜の鍛え方・トレーニング|効果・筋トレ・呼吸法・グッズ

横隔膜は骨格筋なので、ほかの筋肉と同じように負荷をかけて使えば鍛えることができます。ただし、ダンベルのように重りを持つことはできないため、鍛える方法の基本は「深く吸う」「抵抗をかけて吸う」「腹圧を保つ」の3つです。呼吸の訓練、体幹のエクササイズ、呼吸体操などの形で取り入れます。

横隔膜を鍛えるメリットと効果|鍛えるとどうなる?

横隔膜を鍛えると、次のような効果が期待できます。

  • 深く楽に吸える: 1回の呼吸で入る空気が増え、運動中や歌っているときに息切れしにくくなります。
  • 体幹が安定する: 腹圧を作る力が上がり、姿勢や腰の安定につながります。
  • 持久系スポーツの疲れにくさ: ランニングなどで呼吸筋が疲れにくくなるという報告があります。
  • 高齢者の呼吸機能の維持: 呼吸筋の筋力低下を防ぎ、咳を出す力を保つ助けになります。

一方で「横隔膜を鍛えると痩せる」「ぽっこりお腹が治る」といったダイエット効果は、単独では限定的です。深い呼吸で腹横筋が働いて、出てるお腹が引き締まって見えることはありますが、体脂肪を減らすには食事と全身の運動が欠かせません。

横隔膜が弱い・弱るとどうなる?

横隔膜が弱いと、呼吸が浅く速くなりやすく、首や肩の筋肉(補助呼吸筋)で胸を持ち上げる呼吸に頼るようになります。その結果、肩こりや疲れやすさにつながることがあります。横隔膜が弱る原因としては、加齢、長時間の座りっぱなしによる浅い呼吸、病気による筋力低下などがあります。急に息が吸いにくくなった場合は、筋力の問題ではなく病気の可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。

段階別の横隔膜トレーニング

横隔膜の鍛え方は感覚→抵抗→腹圧の順に進める 1 感覚 寝て深呼吸 ドローイン 2 抵抗 ストロー呼吸 呼吸筋器具 3 腹圧 プランク ピラティス 動きを感じてから負荷をかける
横隔膜のトレーニングは、動きを感じる段階、抵抗をかけて吸う段階、腹圧を保って動く段階の順に進める

図のように、まず動きを感じ、次に抵抗をかけ、最後に体を動かしながら腹圧を保つ、という順番で進めると無理がありません。

  1. 仰向けの深呼吸(感覚をつかむ): 膝を立てて仰向けに寝て、お腹と脇腹に手を置きます。4秒かけて鼻から吸い、手が持ち上がるのを確かめ、8秒かけて口から吐きます。5〜10回。
  2. ドローイン: 息を吐きながらおへそを背骨に近づけるようにお腹をへこませ、へこませたまま浅い呼吸を10〜30秒続けます。腹横筋と横隔膜の協調を覚える運動です。
  3. ストロー・ペットボトル呼吸(抵抗をかける): 細いストローをくわえて吸う・吐く、空のペットボトルをへこませるように吸うなど、空気の通り道を狭くして呼吸します。抵抗に逆らって吸うことで横隔膜に負荷がかかります。
  4. プランク: うつ伏せでひじとつま先で体を支え、呼吸を止めずに20〜60秒キープします。腹圧を保ったまま呼吸する練習になり、体幹の筋トレと横隔膜のトレーニングを同時に行えます。プランクで腰や肩が痛い場合は、膝をついた形から始めましょう。
  5. ピラティス・ヨガの呼吸: ピラティスでは肋骨を横に広げる胸式寄りの呼吸を、ヨガでは腹式呼吸やゆっくりした呼吸をポーズと組み合わせます。どちらも呼吸と体幹を連動させる運動として、横隔膜を鍛えるのに役立ちます。

横隔膜を鍛えるグッズ

グッズ使い方注意点
呼吸筋トレーニング器具(パワーブリーズなど)弁の抵抗に逆らって強く吸う負荷は弱い設定から。持病がある人は医師に相談
ストロー・風船抵抗をかけて吸う・吐く安価で始めやすい。頭がくらくらしたら休む
バランスボール座って呼吸しながら体幹を保つ転倒しないよう周りに物を置かない
腹筋用EMS(シックスパッドなど)腹筋に電気刺激を与える刺激するのは腹筋で、横隔膜は直接鍛えられない

製品の仕様や価格は変わることがあるため、購入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

ランニング・腹筋・肋間筋も一緒に鍛える

ランニングや水泳などの有酸素運動は、呼吸の回数と深さが増えるため、自然と横隔膜を鍛える運動になります。腹筋を鍛えると、吐く力と腹圧が強くなり、横隔膜との綱引きのバランスがよくなります。ベンチプレスなど重い物を持つ筋トレでも、息を吸って腹圧を高めてから動作するのが基本です。肋骨の間の肋間筋は、腕を上げて体を横に倒し、伸ばした側の肋骨に息を入れるように吸うストレッチで鍛え方・ほぐし方を兼ねられます。高齢者が鍛える場合は、椅子に座ったままの深呼吸や、口をすぼめてゆっくり吐く呼吸から無理なく始めましょう。

歌のための横隔膜トレーニング(ボイトレ)

歌で横隔膜を鍛える目的は、筋力をつけることより「吸った広がりを保ちながら、息を一定に出し続ける」コントロールを身につけることです。ボイトレでの横隔膜のトレーニングは、息の練習から声の練習へ、声の練習から曲へと段階的に進めます。1日10〜15分でかまわないので、毎日続けることが大切です。

歌の横隔膜トレーニングは息から声、曲の順 スーの ロングブレス ハッハッ ドッグブレス 声の ロングトーン 曲の フレーズ 左から順に、息 → 声 → 曲へと進める
歌のための横隔膜トレーニングは、息だけの練習から声のロングトーン、曲のフレーズの順に段階を上げる

1. 「スー」のロングブレス

鼻から4秒で吸い、歯の間から「スー」と細く一定の息を吐き続けます。お腹や脇腹の広がりを急にしぼませず、ゆっくり戻していくのがポイントです。最初は15秒、慣れたら30秒以上を目標にします。息の音が途中で強くなったり弱くなったりしないよう、耳で確認しながら行いましょう。

2. 「ハッハッ」のドッグブレス

犬が息をするように、口を軽く開けて「ハッ、ハッ、ハッ」と短く息を吐きます。息を吐くたびにみぞおちの下が内側へ軽く動くのを感じられれば、横隔膜と腹筋が素早く連動している証拠です。最初はゆっくり10回、慣れたらテンポを上げます。頭がくらくらしたらすぐに休みましょう。この「ハッ」の感覚は、スタッカートや短いフレーズを歯切れよく歌うときに役立ちます。

3. 声のロングトーン

「スー」の息をそのまま声に変え、「アー」や「ウー」で同じ高さの音を一定の大きさで伸ばします。スマホの録音で聴き返し、音が揺れたり、後半で細くなったりしていないかを確かめます。ロングトーンが安定してくると、横隔膜で息を支える感覚が声とつながってきます。

4. 曲のフレーズで使う

最後に、実際の曲で長いフレーズやサビの前の息継ぎを意識します。フレーズの前に胴体の下半分を広げるように吸い、フレーズの終わりまで広がりをゆっくり戻していきます。息が続かない人は、歌と肺活量の関係の記事も参考にしてください。

独学で「横隔膜が使えているか」を判断するのは難しいものです。支えの感覚は、ボイストレーナーに体の動きを見てもらうと短期間でつかみやすくなります。

横隔膜が硬い原因と硬さのチェック方法

整体やストレッチの分野では「横隔膜が硬い」という表現がよく使われます。これは医学的な診断名ではなく、横隔膜とその周りの筋肉(肋間筋・腹筋・背中の筋肉)が張って、呼吸で胴体が広がりにくくなっている状態を指す言葉です。横隔膜の柔軟性が落ちて動きが悪いと、呼吸が浅くなり、首や肩で息をする癖がつきやすくなります。

横隔膜が硬くなる原因

  • 姿勢(猫背・巻き肩・反り腰): 猫背や巻き肩では胸が縮こまり、肋骨の下が圧迫されて横隔膜が下がる余地が減ります。反り腰では肋骨の下が前に開きっぱなしになり、横隔膜のドームが平らなまま動きにくくなります。
  • ストレス・緊張: ストレスがかかると呼吸が浅く速くなり、横隔膜の動く範囲が小さい状態が続きます。
  • 座りっぱなし・運動不足: デスクワークで長時間前かがみになると、お腹が圧迫されて横隔膜の動きが制限されます。
  • 疲労・筋肉の使いすぎ: 激しい咳や運動の後は、呼吸筋が疲れて張った状態になることがあります。
姿勢やストレスで横隔膜が硬くなり呼吸が浅くなる 原因 猫背・巻き肩 ストレス 座りっぱなし 横隔膜が 動きにくい 結果 呼吸が浅い 肩・首で呼吸 疲れやすい
猫背・ストレス・座りっぱなしが続くと横隔膜が動きにくくなり、呼吸が浅く疲れやすい状態につながる

横隔膜が硬いとどうなる?よく言われる症状

横隔膜が硬いときに起こりやすいとされる症状には、呼吸が浅い・息苦しい、肩こりや首の張り、背中や腰の張り(腰痛)、疲れやすい・だるいといったものがあります。また、横隔膜は胃や腸の上にあるため、便秘やお腹の膨満感、下痢、むくみ、めまい、鼻づまりなどとの関係が語られることもあります。

ただし、こうした不調と横隔膜の硬さを結びつける医学的な根拠は限られています。便秘や下痢、めまいなどが続く場合は、横隔膜のせいと決めつけず、内科などで原因を調べてもらうことが大切です。

横隔膜の硬さのチェック方法

自宅でできる簡単な硬さのチェックを紹介します。いずれも目安で、痛みがある場合は無理に行わないでください。

  1. 肋骨の下に指を入れるチェック: 仰向けで膝を立て、息を吐きながら肋骨の下の縁に指先をそっと差し込みます。指が第一関節まで入れば柔らかめ、ほとんど入らず突っ張る感じが強ければ硬めです。
  2. 脇腹の広がりのチェック: 両手を肋骨の横に当てて深く吸います。左右の手が外へ押し広げられればよく動いています。広がりに左右差があったり、胸と肩だけが上がったりする場合は、横隔膜の動きが小さい可能性があります。
  3. 呼吸の長さのチェック: ゆっくり吸って「スー」と吐き、何秒続くかを測ります。10秒未満なら、呼吸の深さが足りていないサインです。

「横隔膜が張ってる」「突っ張っちゃって息が入らない」と感じるときは、次の章のストレッチやほぐし方を試してみましょう。

横隔膜のストレッチ・ほぐし方・マッサージ

横隔膜そのものは肋骨の内側にあるため、直接つかんで伸ばすことはできません。横隔膜を柔らかくする方法は、深い呼吸で動く範囲を広げることと、周りの肋骨・腹筋・背中の筋肉をゆるめて動きやすくすることの組み合わせです。ここでは、自宅でできるやり方を紹介します。

寝ながらできる横隔膜ストレッチ

寝る前や起きたときに布団の上でできる、いちばん基本のストレッチです。

  1. 仰向けに寝て膝を立て、両手を肋骨の下の縁に置く
  2. 鼻から4秒かけて吸い、手が外と上に押し広げられるのを感じる
  3. 口から8秒かけて細く吐き、肋骨が内側へ戻るのを手で軽く手伝う
  4. 吐ききったところで2〜3秒止め、力を抜いて自然に吸う
  5. これを5〜10回くり返す

肋骨の間を伸ばし方の基本は「伸ばしたい場所に息を入れる」ことです。息を吸うたびに固まった場所が内側から押し広げられ、周りの筋肉が緩むのを待ちます。

寝ながらストレッチは吸う4秒・吐く8秒をくり返す 吸う 4秒 肋骨が広がる 吐く 8秒 肋骨が戻る 止める 2秒 力を抜く 5〜10回くり返す
寝ながらの横隔膜ストレッチは、4秒で吸い、8秒で吐き、2秒止めて力を抜く流れを5〜10回くり返す

吐く息を長くするので、副交感神経が働きやすくなり、自律神経を整えるストレッチとしても取り入れやすい方法です。

立ったまま・座ったままのストレッチ

  • 体側を伸ばすストレッチ: 片腕を上に伸ばして体を横に倒し、伸びた側の肋骨の間に息を入れるように3回深呼吸します。左右行います。肋間筋が伸びて、肋骨が広がりやすくなります。
  • ねじりのストレッチ: 椅子に座って上半身を左右にゆっくりねじり、ねじった状態で深呼吸します。背中がポキポキ鳴っても、痛みがなければ問題ありません。
  • 胸を開くストレッチ: 両手を背中で組んで胸を開き、肋骨が前と横に開くように吸います。肋骨まわりの広げ方がわかると、横隔膜が下がるスペースが増えます。
  • 前屈のストレッチ: 椅子に座ったまま上半身を前に倒して背中を丸め、背中側に息を入れるように吸います。横隔膜の背中側を広げる練習になります。

ほぐし方・マッサージのやり方(横隔膜はがし・リリース)

肋骨の下の縁に沿って指を入れ、周りの筋肉をゆるめる方法は「横隔膜はがし」「横隔膜リリース」などと呼ばれます。「癒着を剥がす」と表現されることもありますが、実際に組織の癒着がはがれるわけではなく、肋骨の下の腹筋や筋膜の張りをゆるめて動きやすくするものです。

  1. 仰向けで膝を立て、お腹の力を抜く
  2. 息を吐きながら、肋骨の下の縁に沿って両手の指先を斜め上へそっと差し込む
  3. 指はそのまま、3回ほど深呼吸する。吸うときに指が押し返されるのを感じる
  4. 指の位置を外側へ少しずつずらし、みぞおちから脇腹まで同じように行う

これが横隔膜のまわりをほぐす方法の基本で、緩め方のコツは「押す」より「呼吸で内側から押し返させる」ことです。強く押す・揉むのは禁物です。ゴリゴリと強くもみほぐすと、内臓や肋骨を痛めるおそれがあります。マッサージで痛い場合、特に押すと強く痛む場合はすぐに中止し、痛みが続くなら医療機関を受診しましょう。

道具を使ったほぐし方

道具使い方
ストレッチポール背骨に沿って縦に乗り、両腕を広げて深呼吸する。胸が開いて肋骨が広がりやすくなる
テニスボール背中の下のほう(肋骨の下の背中側)に当てて仰向けになり、ゆっくり呼吸する
マッサージガン肋骨の上やみぞおちには使わない。背中や腰の筋肉に弱い振動で短時間だけ当てる
カイロ・蒸しタオルみぞおちや背中を温めて、筋肉の緊張をゆるめる

ほぐすメリットと効果

横隔膜のまわりをほぐすメリットとしては、深い呼吸がしやすくなる、姿勢を保ちやすくなる、リラックスしやすくなるといった効果が期待できます。歌う前のウォーミングアップに取り入れると、ブレスで胴体が広がりやすくなります。喉や肩の力を抜くストレッチはボイトレのストレッチ方法の記事で部位別に紹介しています。

ツボ・反射区・お灸・整体について

東洋医学では、みぞおちにある「巨闕(こけつ)」や、背中の肩甲骨の下あたりにある「膈兪(かくゆ)」が横隔膜に関係するツボとされ、指圧やお灸で温める方法が紹介されています。リフレクソロジーでは、足裏の指の付け根のふくらみのすぐ下を横切る線を「横隔膜ライン(横隔膜の反射区)」と呼び、手のひらにも同様の反射区があるとされます。

ただし、ツボや反射区の効果には科学的な裏付けが十分とはいえません。整体やカイロプラクティックで横隔膜を緩める施術を受ける場合も、リラクゼーションの一つとして考え、痛みや病気の治療は医療機関で受けるようにしましょう。トリガーポイントへの施術や関節のモビライゼーションといった専門的な手技は、資格を持つ理学療法士などの専門家に任せるのが安心です。

横隔膜が痛い原因|左・右・背中・肋骨・筋肉痛と受診の目安

「横隔膜のあたりが痛い」と感じるとき、実際に痛んでいるのが横隔膜だとは限りません。横隔膜の近くには肋骨、肋間筋、肺、心臓、胃、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などがあり、どこが原因でも「横隔膜のあたり」の痛みとして感じられるからです。この章は一般的な情報です。自己判断せず、気になる痛みは医療機関で診てもらってください。

すぐに受診すべき痛み

次のような場合は、横隔膜の筋肉痛などではなく、急を要する病気の可能性があります。ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診してください。

  • 胸の痛みや圧迫感に、冷や汗・息切れ・吐き気をともなう
  • 突然の激痛、刺されるような痛み、息ができないほどの息苦しさ
  • 熱が出ている、血を吐いた、黒い便が出た
  • 転倒や事故で胸やお腹を強く打った(打撲の後の痛み)
横隔膜のあたりの痛みは症状で受診の急ぎ度が変わる すぐ受診・救急 冷や汗・息切れ・激痛・発熱・強い打撲 早めに受診 数日たっても続く・だんだん強くなる 様子を見てよい目安 咳・運動の後の筋肉痛で、数日で軽くなる
冷や汗や激痛をともなう痛みはすぐ受診し、数日続く痛みは早めに受診する。筋肉痛らしく軽くなっていくものは様子を見る

左・右・背中など場所別に考えられる原因

痛む場所考えられる主な原因の例
右側・右下(右の肋骨の下)胆石・胆のう炎、肝臓の病気。右肩に痛みが広がることもある
左側(左の肋骨の下)胃の病気、膵臓の病気、脾臓、心臓の病気
みぞおち胃炎・胃潰瘍、逆流性食道炎、心臓の病気
背中腎臓(尿路結石など)、膵臓、筋肉のこり
肋骨・脇腹肋間神経痛、肋骨の骨折やひび、肋間筋の肉離れ、帯状疱疹
息を吸う・咳で強まる胸膜炎、気胸、肋骨のけが、横隔膜まわりの筋肉痛

痛みの性質(ズキズキ、チクチク、ピリピリ、ピキッとする、ひきつれるような痛み、筋肉痛のような痛み、押すと痛い、ずっと痛い)や、このへんが痛い、と範囲を指で示せるか、全体が痛いのか一点が痛いのかも、医師が原因を考える重要な手がかりになります。受診のときに伝えられるようにメモしておきましょう。

咳・くしゃみ・笑いの後の筋肉痛

咳が何日も続いた後や、大笑いした後、しゃっくりが長く続いた後に、横隔膜のあたりが筋肉痛のように痛むことがあります。咳やくしゃみでは横隔膜と腹筋・肋間筋が強く繰り返し縮むため、筋肉痛になるのは自然なことです。咳をすると痛い、笑うと痛い、寝返りを打つと痛い、寝ると痛いといった、動いたときに強まる痛みが典型です。

筋肉痛の原因が咳なら、咳そのものを治すことが第一です。治し方としては、安静にして痛む動きを避け、温めて血流を良くすることが基本になります。ただし、激しい咳の後の強い痛みは肋骨の疲労骨折のこともあるため、痛みが強い・1週間以上続くときは整形外科や内科を受診しましょう。息苦しさをともなう場合も、筋肉痛と決めつけずに受診してください。

ランニング中の脇腹の痛み

走っているときに脇腹が痛くなる現象は、横隔膜のけいれんや、内臓を支える靭帯が引っ張られることが原因ではないかと考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。食後すぐの運動を避ける、ペースを落として深くゆっくり呼吸する、痛む側の脇腹を手で押さえながら息を吐く、といった対処で落ち着くことが多いです。

ストレス・姿勢による違和感

検査で異常がないのに、みぞおちや肋骨の下に違和感や張り、圧迫感が続くことがあります。ストレスによる浅い呼吸や、長時間の前かがみ姿勢で呼吸筋がこわばることが一因と考えられます。「横隔膜の寝違え」「横隔膜の捻挫」のように表現されることもありますが、医学的な病名ではありません。前の章のストレッチで楽になることもありますが、便秘で痛い、食後に痛むなど消化器の症状をともなう場合は内科で相談しましょう。

何科を受診する?

横隔膜のあたりが痛いときに何科に行くか迷ったら、まずは内科(かかりつけ医)が無難です。胸の痛みや動悸なら循環器内科、胃の症状をともなうなら消化器内科、咳や息苦しさなら呼吸器内科、けがの後なら整形外科が目安です。病院に行くときは、痛む場所・始まった時期・きっかけ・痛みの性質を伝えましょう。

横隔膜の痙攣・しゃっくり|なぜ起こる?原因と止め方

横隔膜の痙攣(けいれん)とは、横隔膜が自分の意思と関係なく、突然ピクッと縮むことです。もっとも身近な横隔膜の痙攣が、しゃっくりです。横隔膜は呼吸中枢から自動で命令を受けている筋肉なので、その命令の経路が刺激されると、意思とは無関係に縮んでしまいます。

しゃっくりの仕組み

横隔膜はなぜ痙攣するのでしょうか。しゃっくりを例に見ると、次の順番で起こります。

  1. 胃のふくらみ、冷たい物や熱い物、興奮などが神経(横隔神経・迷走神経)を刺激する
  2. 脳にある「しゃっくりの反射の中枢」が反応する
  3. 横隔膜と肋間筋が突然縮み、急に息が吸い込まれる
  4. その直後に声門(声帯のすき間)がパタンと閉じ、「ヒック」という音が出る

しゃっくりの「ヒック」という音は、横隔膜の痙攣そのものの音ではなく、吸い込んだ空気が閉じた声門にぶつかる音です。

しゃっくりは横隔膜の痙攣と声門の閉鎖で起こる 神経への 刺激 反射の 中枢 横隔膜が 急に収縮 声門が 閉じる 閉じた声門に空気がぶつかって「ヒック」と鳴る
神経への刺激で反射が起こり、横隔膜が急に縮んだ直後に声門が閉じることで、しゃっくりの音が出る

しゃっくり・痙攣の原因

  • 食べ方・飲み方: 早食い、食べすぎ、炭酸飲料、アルコール、熱い物や辛い物を食べる、空気を一緒に飲み込む(ゲップが出やすい状態)
  • 急な変化: 急な温度変化、大笑い、泣きじゃくる、興奮や緊張、ストレス
  • 病気・薬: まれに、胃や食道の病気、脳の病気、薬の副作用などが原因になることもあります

ふつうのしゃっくりは数分から数時間で自然に止まり、心配はいりません。ただし、48時間以上止まらない場合や、1日に何度も繰り返す場合は、病気が隠れていることがあるため内科を受診しましょう。長く続いたしゃっくりの後には、横隔膜のあたりが筋肉痛のように痛むこともあります。

しゃっくり・横隔膜の痙攣を止める方法

医学的に確実な止め方はありませんが、呼吸のリズムを変えたり、迷走神経を刺激したりする方法が昔からよく使われています。

  • 息を大きく吸って、できるところまで止める(10〜20秒)
  • 冷たい水をコップ1杯、ゆっくり少しずつ飲む
  • ゆっくり深い呼吸をくり返し、吐く息を長くする
  • ひざを胸に引き寄せて体を丸め、お腹を軽く圧迫する

「驚かせる」「舌を引っ張る」といった方法も知られていますが、根拠ははっきりしていません。息を止める方法は、心臓や肺に病気がある人は無理に行わないでください。

ピクピクする・つる・震える感覚

しゃっくりの音は出ないのに、みぞおちや肋骨の下がピクピクする、ぴくぴくと震える、プルプル・ポコポコ・ボコボコと動く感じがするという人もいます。考えられるものには、次のような例があります。

  • 腹筋や肋間筋の小さな痙攣: 疲れやストレス、カフェインのとりすぎで、筋肉がピクつくことがあります。多くは自然に治まります。
  • 大動脈の拍動: やせ型の人では、みぞおちの奥を通る大動脈の脈がドクドクと伝わって感じられることがあります。
  • 腸の動き: ゴロゴロ、ぐるぐると音がする場合や、お腹の表面がベコベコ動く場合は、腸の中のガスが動いていることが多いです。
  • みぞおちへの衝撃: ボクシングなどでみぞおちにパンチを受けると、一時的に息ができなくなることがあります。横隔膜が急に痙攣して動きが止まる状態と説明されます。
  • 横隔膜がつる(つった)感覚: 運動中の脇腹の痛みや、強い咳の後の筋肉のこわばりを「横隔膜がつった」と表現することがあります。

まれに、横隔膜が細かく速く震え続ける病気(横隔膜粗動)や、ジストニアのように筋肉が勝手に動く神経の病気が関係することもあります。ピクピクした動きが何日も続く、呼吸が苦しい、むずむず・ゾワゾワする感覚が強くて眠れないといった場合は、内科や神経内科で相談してください。

横隔膜ヘルニアとは|種類・症状・原因・治療(新生児・高齢者・猫・犬)

横隔膜ヘルニアとは、横隔膜に穴が開く、あるいはもともとある孔が広がったりして、お腹の臓器(胃・腸・肝臓など)が胸の中へ飛び出してしまう状態です。「ヘルニア」は、臓器が本来の場所から飛び出すことを意味する言葉です。腰の椎間板ヘルニアとは別の病気です。この章は概要の解説で、診断や治療方針は必ず医師(ペットの場合は獣医師)の判断に従ってください。

横隔膜ヘルニアの種類

種類起こる場所・原因多い年代
先天性横隔膜ヘルニア(ボホダレク孔ヘルニア)生まれつき横隔膜の背中側の外寄りに穴がある。左側に多い胎児・新生児
先天性(モルガニー孔ヘルニア)生まれつき胸骨の裏の前側にすき間がある小児〜大人で見つかることも
食道裂孔ヘルニア食道裂孔がゆるんで広がり、胃の一部が胸側へずれる中高年・高齢者
外傷性横隔膜ヘルニア事故などの強い衝撃で横隔膜が破れる年代を問わない。犬や猫にも多い
横隔膜ヘルニアは種類ごとに起こる場所が違う 前(胸骨側) 後ろ(背骨側) モルガニー孔 ボホダレク孔(左に多い) 食道裂孔
横隔膜を下から見ると、モルガニー孔は前側、ボホダレク孔は背中側の外寄り、食道裂孔ヘルニアは食道の通り道で起こる(下から見た模式図。図の右側が体の左側)

新生児・赤ちゃんの先天性横隔膜ヘルニア

先天性横隔膜ヘルニアは、およそ数千人に1人の割合で生まれてくる赤ちゃんに見られる病気です。お腹の臓器が胸に入り込むことで、胎児のうちに肺が十分に育たない(肺低形成)ことが最大の問題になります。妊娠中の超音波検査で見つかることが多く、肺の大きさを頭囲や胸の大きさと比べる指標(LHR、LT比(L/T比)など)で重症度を予測します。

生まれた後は、まず人工呼吸などで呼吸と循環を安定させ、その後に手術で臓器をお腹に戻し、横隔膜の穴を閉じます。穴が大きい場合は、人工の膜(パッチ)を縫い付けて閉鎖します。生まれてすぐではなく、1歳前後やそれ以降に、呼吸や便秘、嘔吐などの症状やレントゲン検査をきっかけに見つかる遅発型もあります。

高齢者に多い食道裂孔ヘルニア

高齢者の横隔膜ヘルニアで最も多いのが、食道裂孔ヘルニアです。加齢で食道裂孔のまわりの組織がゆるむこと、肥満、背中が丸くなる姿勢、便秘でいきむ習慣、咳が続くことなどで腹圧が上がることが原因になります。症状は、胸やけ、ゲップ、胃酸が上がってくる感じ(逆流性食道炎)、つかえ感などで、無症状で健康診断のレントゲンや内視鏡で見つかることもあります。内視鏡ではヘルニアの大きさや食道炎の程度(グレード)を評価します。

治療は、多くの場合、胃酸を抑える薬と、食後すぐに横にならない・腹八分目にする・ベルトで腹部をきつく締めないといった生活習慣の見直しです。ヘルニアが大きい場合や、薬で症状が治まらない場合は、腹腔鏡などによる手術が検討されます。高齢者の治療方針は、体の状態に合わせて医師と相談して決めます。

外傷性横隔膜ヘルニア

交通事故や高い所からの転落などでお腹を強く打つと、腹圧が急に上がって横隔膜が破れることがあります。けがの直後に見つからず、しばらくたってから息苦しさなどで気づくこともあります。胸やお腹を強く打った後に呼吸が苦しい場合は、必ず受診してください。

猫・犬の横隔膜ヘルニア

猫や犬の横隔膜ヘルニアは、交通事故や高所からの落下による外傷性のものが多く、生まれつきのものもあります。症状は、呼吸が速い・苦しそう、口を開けて呼吸する、元気や食欲がない、吐くなどです。呼吸が苦しい猫は、胸を広げようとして前足を突っ張って伏せた姿勢(楽な姿勢)をとり、横になりたがらないことがあります。

診断はレントゲンや超音波検査で行い、多くは手術で臓器を戻して横隔膜を縫い合わせます。胸に入り込んだ腸管や胃がねじれる(捻転)と血流が途絶えて命にかかわるため、事故の後に元気そうに見えても、呼吸の様子がおかしいときはすぐに動物病院を受診してください。

横隔膜の病気と検査|挙上・麻痺・弛緩症・腫瘍とレントゲン・エコー

横隔膜の病気は、ヘルニアのほかに、位置が上がる(挙上)・下がる(平坦化)、動かなくなる(麻痺)、筋肉が薄くなる(弛緩症)、けがや腫瘍などがあります。多くは健康診断の胸部レントゲンで「横隔膜の位置の異常」として見つかります。病気の種類と主な症状を知っておくと、検査結果の説明を理解しやすくなります。ここでも診断や治療は医師の判断によります。

横隔膜が上がる(挙上)原因と、上がるとどうなるか

レントゲンで横隔膜が上がってると言われる「横隔膜挙上」には、次のような原因があります。

  • 横隔神経麻痺: 手術、腫瘍、帯状疱疹、けがなどで横隔神経が傷つくと、その側の横隔膜が動かずに上に上がる
  • 肺の容積が減る病気: 無気肺(肺の一部がしぼむ)や、肺の切除手術の後
  • お腹側から押し上げられる: 肝臓の肥大、お腹のガス・腹水、肥満、妊娠、横隔膜の下にできた膿のたまり(横隔膜下膿瘍)
  • 横隔膜弛緩症: 横隔膜の筋肉が生まれつき、または後から薄くなり、ドームが上に膨らんだ状態

片側だけの挙上なら無症状のことも多いですが、両側が上がったり、肺の病気が重なったりすると、息苦しさや呼吸困難が出ることがあります。レントゲンで横隔膜の一部だけがテントのように尖って見える「テント状挙上」は、肺の容積が減ったときに見られることがある所見です。

平坦化|肺気腫・喘息で横隔膜が下がる

反対に、肺気腫(COPD)や喘息の発作で肺に空気がたまりすぎると、横隔膜が押し下げられてドームが平らになります(平坦化)。平らになった横隔膜は縮んでも下がる余地が少なく、効率よく息を吸えなくなります。

レントゲンで見る横隔膜の正常・挙上・平坦化 正常 挙上 平坦化 麻痺・無気肺で上がり、肺気腫で平らに下がる
横隔膜は麻痺や無気肺で上がり(挙上)、肺気腫などで肺がふくらみすぎると平らに下がる(平坦化)

横隔膜の麻痺と治療|縫縮術・ペーシング

横隔神経麻痺による横隔膜の麻痺は、原因によっては神経が回復して自然に治ることもありますが、治らない場合もあります。息苦しさが強い場合の治療には、次のようなものがあります。

治療内容
呼吸リハビリ呼吸筋のトレーニング、姿勢の工夫などで呼吸を楽にする
横隔膜縫縮術ゆるんだ横隔膜を縫い縮めて張りを持たせ、肺が広がる場所を作る手術。読み方は「おうかくまくほうしゅくじゅつ」、英語では diaphragmatic plication
横隔膜ペーシング横隔神経や横隔膜に電極を付けて電気刺激で横隔膜を動かす方法。高位の頸髄損傷など、適応は限られる

横隔膜縫縮術は、大人だけでなく小児(心臓の手術の後などの横隔神経麻痺)にも行われます。術式や術後の経過は病気と体の状態によって異なるため、担当医の説明を受けてください。ペーシングの適応判断や看護は専門施設で行われます。

横隔膜の損傷・炎症・腫瘍・がん

  • 損傷: 交通事故や刺し傷などで横隔膜が破れる(穿孔)と、外傷性ヘルニアの原因になります。損傷の症状は呼吸困難や腹痛などで、治療は多くの場合、手術による修復です。
  • 炎症: 横隔膜の下に膿がたまる横隔膜下膿瘍や、胸膜炎などが、横隔膜のまわりの炎症の原因になります。発熱と、呼吸で強まる痛みが典型です。
  • 胸膜プラーク: アスベスト(石綿)を吸い込んだ人に、横隔膜の上の胸膜が板状に厚くなって石灰化する所見です。
  • 腫瘍: 横隔膜から発生する腫瘍(脂肪腫などの良性腫瘍や肉腫)や嚢胞はまれです。横隔膜の癌(がん)として見つかるものの多くは、卵巣がんや肝臓がん、胃がんなどが転移・広がったもので、症状は元のがんの症状として現れることが多いです。診断は画像検査と、組織を採って調べる病理検査で行います。切除や摘出を含む治療方針は、元のがんの種類によって決まります。

横隔膜の検査と評価|レントゲン・CT・エコー

検査わかること
胸部レントゲン(X線・XP)横隔膜の位置と高さ、左右差、挙上や平坦化などの異常
CTヘルニアの有無、腫瘍、横隔膜の厚さ(肥厚)や周りの臓器との関係
超音波(エコー)横隔膜の動きと厚さの変化をリアルタイムに評価。リハビリや集中治療でも使われる
透視検査鼻をすするように息を吸ったときの動きで麻痺を確認する

医療機関やリハビリの現場では、画像検査のほかに、胸を指でたたく打診で横隔膜の位置を調べる方法もあります。息を吐いたときと吸ったときで、肺の上の響く音と、肝臓などの上の鈍い音(濁音、英語で dull)の境目が何cm移動するかを見て、横隔膜の動きを評価します。理学療法の分野では、MMT(徒手筋力テスト)で呼吸筋の力を評価することもあります。

焼肉の横隔膜|ハラミとサガリの違い・牛と豚の部位

焼肉で人気のハラミは、牛の横隔膜の筋肉です。人間と同じく、牛の横隔膜も胸とお腹を仕切るドーム状の筋肉で、一生動き続けるためきめが細かく、赤身なのにやわらかいのが特徴です。「横隔膜って牛のどこ?」「どこの部位の肉?」と聞かれたら、「肋骨の内側にある、胸とお腹の仕切りの部分」と答えられます。

ハラミとサガリの違い

牛の横隔膜は、場所によってハラミとサガリに呼び分けられます。一般的には次のように区別されます。

名前横隔膜の部位特徴
ハラミ肋骨側(背中寄り)の薄く広い部分脂がややのり、濃い旨みとジューシーさがある
サガリ腰椎(背骨)側からぶら下がる厚みのある部分(横隔膜の脚)脂が少なめで肉質がやわらかい。名前は「下がっている」ことから

ただし呼び分けは地域や店によって異なり、関東ではハラミとサガリをまとめてハラミ、北海道ではまとめてサガリと呼ぶことが多いといわれます。人間の解剖でいえば、ハラミはおもに肋骨部、サガリは腰椎部(右脚・左脚)にあたります。

ハラミは横隔膜の肋骨側、サガリは背骨側の部位 ハラミ 肋骨側の薄い部分 サガリ 背骨側の厚い部分 どちらも牛の横隔膜の筋肉
牛の横隔膜のうち、肋骨側の薄く広い部分がハラミ、背骨側からぶら下がる厚い部分がサガリと呼ばれる(模式図)

ハラミはなぜホルモン(内臓)扱い?

ハラミは牛の横隔膜のお肉で、筋肉なのに、食肉の分類ではホルモン・モツと同じ内臓肉(副生物)として扱われます。理由は、牛を解体するときに横隔膜が内臓と一緒に取り外されるためです。枝肉(ロースやカルビなどの正肉)とは別のルートで流通するので、かつては比較的安価な部位でした。人間の横隔膜が「内臓ではなく骨格筋」であることとは、分類の基準が違う点に注意しましょう。

英語では何と呼ぶ?

ハラミは英語でスカートステーキ(skirt steak)、サガリはハンギングテンダー、ハンガーステーキ(hanger steak)と呼ばれることが多い部位です。メキシコ料理のファヒータにもよく使われます。牛肉の輸入品では、英語の部位名で表示されていることがあります。

豚の横隔膜と焼き鳥

豚にも横隔膜があり、豚ハラミや豚サガリとして焼肉やもつ焼きで食べられています。一方、鳥には哺乳類のような筋肉の横隔膜がありません。焼き鳥のメニューにある「ハラミ」は、店によって鶏の腹まわりの肉だったり、豚の横隔膜だったりします。気になる場合はお店に確認してみましょう。

ハラミやサガリを食べるときに「この肉は呼吸のためにずっと動いていた筋肉なんだ」と思い出すと、横隔膜の形や位置がぐっとイメージしやすくなります。

「ダイアフラム」と呼ばれるもの|マイク・ポンプ・弁

横隔膜の英語 diaphragm(ダイアフラム)は、「仕切りの膜」という意味から、体以外でも空間を仕切って押したり引いたりする薄い膜の名前として使われています。横隔膜について調べていると目にすることがあるので、代表的なものを整理しておきます。

分野ダイアフラムの意味横隔膜との共通点
マイク・スピーカー音(空気の振動)を受けて震える振動板薄い膜が前後に動いて空気とやりとりする
ダイアフラムポンプ膜を往復させて液体や気体を送り出すポンプ膜の上下で空間の容積を変え、中身を吸い込む・押し出す
ダイアフラム弁膜を押し付けて流れを止める弁仕切りで通り道を開け閉めする(食道裂孔の働きに近い)
カメラレンズの絞り光の通り道を仕切って量を調整する

歌う人にとって身近なのは、マイクのダイアフラムです。ボーカルマイクは、声で震えた空気がダイアフラムを動かし、その動きを電気信号に変えています。体の中の横隔膜が息を送り出し、マイクのダイアフラムがその声を受け取る、と考えるとおもしろいつながりです。マイクの種類や使い方はボーカルマイクとはの記事で解説しています。

よくある質問

横隔膜とはどこにある筋肉ですか?
胸とお腹の境目にあります。前はみぞおちの骨(剣状突起)の裏、横は肋骨のいちばん下の縁の内側、背中側は腰の少し上の腰椎まで、傘を開いたような形で張っています。ドームの頂上は意外と高く、息を吐ききると乳首の少し下の高さまで上がります。
横隔膜とは簡単にいうと、なにをする筋肉ですか?なんのためにあるの?
息を吸うための筋肉です。縮んで下がると胸の空間が広がって肺に空気が入り、ゆるむとドームの形に戻って空気が出ていきます。安静時の吸気の約7割を横隔膜が担っています。さらに、腹圧を作って体幹を支える、咳や排便を助ける、胃の中身の逆流を防ぐといった働きもあります。
横隔膜は何筋肉ですか?内臓ですか?
骨格筋(横紋筋)で、内臓ではありません。自分の意思で動かせる随意筋ですが、寝ている間も呼吸中枢の命令で自動的に動き続けるという特別な性質を持っています。焼肉のハラミは食肉の分類上は内臓肉として扱われますが、体のつくりとしては筋肉です。
横隔膜を鍛えれば歌は上手くなりますか?
横隔膜の力そのものより、吸った広がりを保ちながら息を一定に出すコントロールが大切です。「スー」のロングブレスや声のロングトーンで、お腹や脇腹を膨らませた状態からゆっくり緩む動きを練習すると、声が安定しやすくなります。ビブラートの揺らし方も、息を安定して出せることが土台になります。
横隔膜のあたりが痛いときは何科に行けばいいですか?
まずは内科(かかりつけ医)に相談するのが無難です。胸の痛みや動悸なら循環器内科、胃の症状なら消化器内科、咳や息苦しさなら呼吸器内科、けがの後なら整形外科が目安です。冷や汗や強い息苦しさをともなう痛みは、すぐに救急を受診してください。

まとめ

  • 横隔膜(おうかくまく、英語で diaphragm)は、胸とお腹を仕切るドーム状の骨格筋で、呼吸の主役
  • 位置は肋骨の下の縁に沿った胸とお腹の境目。右は肝臓に押されて左より少し高い
  • 胸骨部・肋骨部・腰椎部から起こって腱中心に停止し、3つの孔(大静脈孔・食道裂孔・大動脈裂孔)が開いている。神経支配は頸髄C3〜C5の横隔神経
  • 吸うと縮んで下がり、吐くとゆるんで上がる。腹圧・体幹・自律神経にも関わる
  • 歌では「下げた横隔膜をゆっくり戻す」ブレーキが支えになる。鍛え方は感覚→抵抗→腹圧の順に
  • 硬さはストレッチと深い呼吸でほぐし、痛み・長引くしゃっくり・息苦しさは医療機関へ

横隔膜の仕組みを知ると、「お腹から声を出す」「支えのある声」という言葉の意味が具体的にわかるようになります。ただし、呼吸の感覚は自分だけでは確かめにくく、間違った力みがついてしまうこともあります。支えのある発声を効率よく身につけたい人は、体の使い方を直接見てもらえるボイストレーニング教室を活用してみてください。ボイトレ教室検索では、全国の教室を都道府県・市区町村・駅から探せます。まずは体験レッスンで、自分の呼吸と横隔膜の使い方をプロにチェックしてもらいましょう。